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生地見本に250g/mとか書いてあるアレは「目付(めつけ)」と言う大事な目安です

皆さんこんにちは。
Lv.99代表の水本です。

オーダースーツの店舗で、バンチブックと呼ばれる生地見本帳を見たことありますか。
年に2回、2〜3月くらいにSSと呼ばれる春夏物の生地、8〜9月くらいにAWと呼ばれる秋冬物の生地が発売されます。
オーダースーツを作る時、この見本帳を見てお好みの生地を注文します。

色や柄、成分、光沢や手触りで決定するのはもちろんなのですが、もう一つ大事な情報がそれぞれの生地見本に表記されています。
それが「目付(めつけ)」と言うものです。

生地見本に貼ってあるシールに「250g/m」とか数字と記号が書かれているのを見たことあるかと思います。
これは何を表示しているのかというと「生地約1.5m×1.0mの重さ」です。
例えば250g/mと書かれている生地があれば、1mあたりの重さが250gであることが分かります。

スーツ1着でだいたい3.3mくらい生地を使用するとなると、この生地でスーツを作ると1着の生地の重さが約825gになるよ、と言うことです。
持ってみると重い服と軽い服ってありますよね。 この違いは生地の重さの違いだったのです。
正確には、裏地や芯地、ボタンやポケットなどの重さが追加されますので、スーツ1着の合計重量は単なる生地の重さではないのですが、一番分量が多い素材なので、一番影響が大きくなります。

この目付は合計の重量の目安に使うのではなく、生地の厚みや風合いの目処をつけるために活用します。

  • 夏物の目安:200g/m
  • 春秋、オールシーズンの目安:250g/m
  • 冬物の目安:280g/m

200g/mくらいだと、向こう側が透けて見えるくらい薄いです。
280〜300g/mだと、生地にみっちりとした重量を感じます。
冬物であれば、気温10度くらいの都内の冬の日であれば、コートを着なくても問題ないくらいです。
夏は、、、ちょっとここ数年はスーツを着るのが難しいくらい高温になるので、一概に200g/mで作れば大丈夫だと言えない部分があります。
裏地の作り含め、トータルで考える必要がありそうです。

オールシーズンの生地は使いやすい目付ではありますが、冬の寒さや夏の暑さに対処するのは難しくなってきたので、実質は春秋物と理解した方がいいかもしれません。
春と秋では色柄の雰囲気も異なるので、ベーシックなトーンに向いていそうです。

なぜこのように生地の重さが変わるのかというと、生地に打ち込まれている糸の本数や細さ太さに影響を受けます。
単純に重い生地だから糸の本数が多いと言うわけでもなく、細い糸で重い生地であれば本数が多そうだ、太い糸で軽い生地であれば本数が少なそうだ、というようにケースバイケースになります。

細い糸は美しい光沢が出ますが、より繊細な生地なので耐久性は落ちます。
高級な細い糸のスーツを日常で頻繁に着ると、擦れによって傷んだりする可能性が高まるので日々の入念なメンテナンスが欠かせません。

このようにトータルで使用するシーンも含め、生地を選択する際に重要な手掛かりとなるのが目付なのです。

バンチブックで生地を見ていると、時が経つのを忘れます。
まだ注文する決意はしていないけど、バンチブックだけ眺めたいのだというお客様がいらっしゃいましたら、ぜひご来店ください。
新作生地について語り合いましょう。

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