#01 服電|作家:宇咲海里「僕の人生のテーマは「適度」。生き方に少し余白を残したい。金額も機能も、バランスを見て「適度」な服を選ぶのが僕のこだわり」

#01 服電|作家:宇咲海里

ゲスト:宇咲海里(作家)

服電 Clothes Call Produced by Lv.99。
皆さんこんばんは。
服電Clothes Call Produced by Lv.99、ナビゲーターの水本慎太郎です。
毎日何気なく選んでいる服には、その人の生活や仕事、気分、価値観が静かに表れています。
この番組では、服という人の今を映す文化をアーカイブしていきます。

記念すべき第1回のゲストは、映画『レクイエム』の脚本も手掛けられた作家の宇咲海里さんです。

ラフさとTPO——「着るガジェット」としての服

水本慎太郎(以下、水本): 記念すべき第1回、お電話がつながっています。こんばんは。まずはリスナーの皆さんがイメージを膨らませるために、今着ている服装を教えていただけますか?

宇咲海里(以下、宇咲): 今ですか? 普通にジーンズに、上はちょっとドレスシャツみたいな感じですね。基本はラフな格好が好きで、夏は短パンとTシャツ、それ以外の季節はほとんどデニムを履いています。

水本: 宇咲さんはかしこまった場でお見かけすることも多いので、ドレッシーな印象が強かったのですが、意外です。

宇咲: 仕事柄、TPOがはっきりと分かれることが多いんです。公の場に立つ時はきっちり分けますが、本音を言えばネクタイはしたくないなと思いながら生活していますね(笑)。

水本: ワードローブの中で、つい手に取ってしまう「ヘビーローテーション」な服はありますか?

宇咲: 秋冬から春先にかけてはパーカーですね。かなりの数を持っています。

水本: 宇咲さんはヨットに乗られますが、やはり海辺の暮らしが関係しているのでしょうか?

宇咲: 実は、そこは全く繋がっていないんです。海にいる人間は意外と「ヨットパーカー」を着ません。世の中の先入観かもしれませんね。僕がパーカーを着るのは、純粋に「楽だから」なんです。

水本: 「楽」というのは着心地の面で?

宇咲: はい。長くヨット競技をしていたので、上半身が逆三角形のマッチョ体型なんです。下がSサイズで上がLサイズ。既製品のシャツだと肩幅が窮屈で。だから、ふわっと着られるパーカーや、ノリの効いていないドレスシャツの方が体型的に楽なんですよね。

水本: なるほど。あえて締め付けないものを選んでいるんですね。

宇咲: 普段はそうです。逆に勝負服が必要な時は、あえてタイトなものを選んで「普段と違うぞ」と自分の体に分からせるようにしています。

水本: 勝負服といえば、横浜国際映画祭のレッドカーペットでも弊社のタキシードを着ていただきましたね。ニュースでも拝見しました。

宇咲: あの時はありがとうございました。生地で選んで仕立ててもらうことが多いですね。ロロ・ピアーナやゼニアなど、好きな生地を自分の体型に合わせて作る。そうしないとサイズが合わないので。

水本: 逆に「これだけは絶対に着ない」という服はありますか?

宇咲: 実はないんです。オーセンティックな家庭で、TPOを厳しく教えられて育った反動か、10代の頃からあえて着崩したり、合わない色を合わせたりして楽しんできました。だから「これは着ない」と決めつけず、何でも取り入れていくタイプですね。

水本: 確かに、高校の後輩として見ていても、宇咲さんが制服を着ている姿は記憶にないです(笑)。

宇咲: 一人だけカジュアルな学生生活を送っていましたね。でも、ヨット競技を通じて「機能性」の重要さを知りました。24時間海の上にいると、保温力や速乾性が死活問題になります。ただ、高価すぎたりオーバースペックすぎても動きを制約してしまう。 僕の人生のテーマは「適度」なんです。生き方に少し余白を残したい。金額も機能も、バランスを見て「適度」なものを選ぶのが僕のこだわりかもしれません。

何者にもなりたくない——興味の赴くままに

水本: 宇咲さんは脚本家、作家、俳優、実業家と実に多彩ですが、ご自身を「何者」だと捉えていますか?

宇咲: カテゴライズが必要なら「作家」と言っていますが、本音を言えば「何者にもなりたくない」んです。誰かに「こういう人間だ」と決められるのがすごく嫌で。人生は短いので、いろんな経験をして、いろんなものを知りたいだけなんです。

水本: その興味が、昨年は「日本で9例目」というトゲナナフシのオスの発見にも繋がったわけですね。

宇咲: あれは本当に偶然、神様のいたずらです(笑)。でも、自分以外のものをよく観察することは、結果的に自分自身を見つめることにも繋がると思っています。

水本: 今年の目標はありますか?

宇咲: 引き受けている短編映画を形にすること、そしてトゲナナフシの研究成果を次世代のために残すこと。映画と虫、一見バラバラに見えますが、僕の中ではすべて緩やかにつながっているんです。

水本: 最後に皆さんに伺っている質問です。宇咲さんは明日、どんな気分で服を選ぼうと思いますか?

宇咲: 明日は少しお出かけする予定があるんです。今年は暖冬でまだダウンを着ていないのですが、明日は最近買ったお気に入りのジャケットを着て出かけようかなと思っています。

水本: 素敵なジャケット姿になりそうですね。本日のゲストは、作家の宇咲海里さんでした。ありがとうございました!

今週のピックアップ

ウールの聖地・尾州、生産量が10年で半減の衝撃

ウールの聖地、愛知県・尾州産地が厳しい局面を迎えています。最新の統計によりますと、国内の毛織物生産量はこの10年で約半分にまで落ち込み、2025年に入ってもその縮小スピードは加速しています。

背景にあるのはアパレル産業の構造変化です。かつては国産生地を海外で縫製し、逆輸入する際の関税を減免する「暫八(ざんぱち)」制度が産地を支えてきましたが、近年は生地そのものから海外製に依存する製品輸入が急増。これが尾州のシェアを大きく奪う結果となりました。

特に深刻なのは最終工程の「染色整理」段階です。最大手のソトーが赤字を継続し、拠点の集約を余儀なくされるなど、産地の心臓部が揺れています。一方で、企業再生ファンドによる買収など、生き残りをかけた再構築の動きも活発化しています。世界に誇る日本のウールが、今まさに大きな分岐点に立っています。

Lv.99 インフォメーション:26SS始動と、25AWラストコールのお知らせ

さて、ここからはLv.99のインフォメーション。ショップの最新状況をお伝えします。

暦の上ではまだ冬ですが、ファッションの時計はすでに動き出しています。今月2月より、いよいよ「2026年春夏」の新作生地が続々と入荷し始めます!

今回も唸るような素晴らしいクオリティのものが揃っていますので、ぜひ期待していてください。

そして、ここからが大事なポイント。 新作が入ってくるということは、「2025年秋冬」の生地はいよいよ最終在庫となります。

「今シーズン、結局コート作ってないな…」とか「あの厚手のツイード、気になってたんだよな」という方、今が正真正銘、最後のチャンスです。

今のうちに仕込んでおけば、来シーズンの冬は最高の1着とともに迎えられます。

「まだ間に合う?」というご相談、公式LINEやDMからお気軽に投げ込んでください。

新作の予習か、今季の完結か。熱いファッション談義、お待ちしております!

エンディング

第1回、あっという間でしたね

ゲストの宇咲海里さんは、放送終了後も「TPOに合わせた機能的な格好を選ぶこと」の大切さについてお話ししてくださいました

無意識に従っている自分自身の価値観に気づかされる、そんな回になったのではないでしょうか

『服電 Clothes Call』は、これから99人の方へのインタビューを目指して進んでいきます

リスナーの皆様と一緒に、99通りの服選びについて探索していければと思います

番組への感想は、公式Instagramや公式サイトまでお寄せください

ナビゲーターの水本慎太郎でした。

それでは皆様、お気に入りの服を着て良き週末をお過ごしください

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