水本慎太郎(以下、水本): 服電 Clothes Call Produced by Lv.99。ナビゲーターの水本慎太郎です。本日も原宿CAT STREETのテーラリングアトリエLv.99からお届けします。毎回、ゲストの方にお電話をして、その人の服にまつわるエピソードを伺い、そこから仕事や活動、価値観といったお話を共有していく番組です 。
水本: さて、今回はEQ(心の知能指数)とマインドフルネスの二刀流、マインドフルネスメッセンジャーの中村悟さんとお電話がつながっています。悟さん、もしもし! 今日はよろしくお願いいたします。
中村悟(以下、中村): よろしくお願いいたします。この度は非常に楽しい機会をありがとうございます。
水本: ご無沙汰しております! 以前、芝生の上で「おりん」を鳴らしている姿が今も脳裏に焼き付いているんですが、あの頃はマインドフルネスという言葉もまだ早かったですよね。
中村: 前職の頃ですね。もう10年以上前、私が企業に勤めていた頃の話だと思います。
「体を楽器にする」ボイトレとパタゴニアのロンT
水本: 今日は前半に服のお話、後半に悟さんご自身の活動について伺いたいと思います。まず、今着ていらっしゃる服装を教えていただけますか?
中村: はい。今日はお昼にボイトレ(ボイストレーニング)に通っていたので、その格好のままなんです。上はパタゴニアのロンT、下は緩いストレッチパンツ、スウェットのようなものを履いています。
水本: ボイトレですか。人前で話す仕事のためのトレーニングでしょうか?
中村: そうですね。楠瀬誠志郎さんが主催する表参道のレッスンに通っています。これが面白くて、単に声を出すのではなく、ストレッチで体を緩めて「背骨を楽器のように響かせる」というアプローチなんです。空気の振動で伝えたいものを伝えていく。全身運動なので、リラックスした動きやすい服装が必要なんですよ。
水本: なるほど、だからパタゴニアなんですね。パタゴニアはお好きなんですか?
中村: かなり寄せてますね(笑)。昔からアウトドアの服は好きで、一時期はアークテリクスに浮気したこともありましたが、一周回ってパタゴニアに戻ってきました。最近はもうパタゴニア一択です。
思想を着る。地球の株主として貢献するブランドへの「推し活」
水本: 他の回(Episode 03)でお話しした中島美紀さんも、鎌倉に引っ越してからパタゴニアを着るようになったと言っていました。鎌倉はみんなパタゴニアだと。
中村: 鎌倉には本社もありますしね。私の場合は仕事の関係もありますが、単純な機能性だけでなく、ブランドの思想に共感して「応援したい」という気持ちで着ています。
水本: パタゴニアは深いですよね。
中村: そうなんです。彼らは「地球を救う」というミッションを掲げていて、収益の1%を寄付する「1% for the Planet」のような活動もしています。会社の社是が「地球の株主に対してビジネスを通して貢献する」というもので、その姿勢をレポートで開示したり、地域のゴミ拾いをしたり。そういう姿を見ていると、ファンというか「推し活」に近い感覚ですね。
水本: 機能だけでなく思想がある。それこそハイブランドを選ぶ感覚に近いのかもしれませんね。
中村: そうですね。自分が服を買う、着るというアクションが、巡り巡って地球や地域に良い影響を与えられるかもしれない。そんな位置にいられたらなと思っています。
直せない服より、直して長く着るサステナブルな一着を
水本: 悟さんにとって、これまでの服にまつわる「忘れられないエピソード」はありますか?
中村: 去年、長年着ていたダウンジャケットのファスナーが壊れてしまったんです。公式のお店に持っていったのですが、特殊な作りで「直せない」と言われてしまって……。高価なものでしたし、5年くらい着ていたので、直して使い続けたかった。結局メルカリに出したのですが、すごく残念な気持ちになりました。
水本: それは悔しいですね。
中村: だからこそ、今年はまたパタゴニアのダウンを買い直しました。パタゴニアなら修理の相談にも乗ってくれますし、メンテナンスも含めたトータルなブランド体験がある。近くの店舗のスタッフさんとも顔馴染みで、もはや「サードプレイス」のようになっていますね。
マインドフルネスは「今、ここ」の自分を自覚すること
水本: 後半は悟さんの専門である「マインドフルネス」について伺いたいのですが、改めて一言で伝えると、どういった状態を指すのでしょうか?
中村: ストレスがあろうとなかろうと「今、自分がどんな状態かに気づいている状態」のことです。その反対は「マインドレスネス」。過去の後悔や未来の心配に心が飛んでしまっている状態ですね。
水本: 現代人は常にマルチタスクで、心がここにあらずになりがちですよね。
中村: そうなんです。歩きスマホをしたり、動画を見ながらご飯を食べたり。マルチタスクは一番非効率で、中途半端なものを量産してしまいます。「この時間はこれに集中する」というシングルタスクを積み重ねることが、結果的に生産性を上げることにつながります。
水本: 悟さんの著書『1分で整う いつでもどこでもマインドフルネス』にも、日常でできる実践法がたくさん載っていますよね。
中村: コーヒーを飲む、おやつを食べる、あるいはこうして水本さんとお話しすること自体もマインドフルネスのプラクティスになります。「マインドフル・ボイトレ」や「マインドフル・ラーメン」もアリですよ(笑)。
6月、アフリカ最高峰キリマンジャロへの挑戦
水本: そんな悟さんが、今年6月に大きなチャレンジをされると伺いました。アフリカのキリマンジャロ登頂ですね!
中村: はい。タンザニアにある標高5,895mの山です。6月下旬から10日間かけて行ってきます。
水本: 富士山の約1.5倍の高さ……想像を絶します。なぜ今、キリマンジャロなんですか?
中村: 去年、小田原から有明まで100kmを24時間かけて歩くレースに参加して、完歩できたんです。その時「淡々とコツコツ続けることが自分は好きなんだ」と再確認しました。それで今年は「横(距離)」の次は「縦(高さ)」だ!と(笑)。10年以上前から「一生のうちに一度は」と思っていましたが、ちょうど自分の誕生日のタイミングでツアーがあり、仕事や家庭の調整もついたので、これは呼ばれたなと感じて振り込みました。
水本: まさにタイミングが揃ったんですね。
中村: 温暖化の影響で山頂の氷河が急激に減っているという話も聞くので、今のうちに見ておきたい。登って帰ってきたら、自分の人生の視座もまた変わるような気がしています。
水本: 装備も命に関わりますよね。
中村: そうなんです。ベースレイヤー(下着)の設計を間違えると死活問題。ここでもまた、信頼しているパタゴニアの店舗に相談して揃えようと思っています。パタゴニアのロゴを背負って登ってきますよ!
明日、どんな気分で服を選びますか?
水本: いよいよ最後の質問です。悟さんは明日、どんな気分で服を選ぼうと思いますか?
中村: 明日は、その瞬間の「今」を感じて選びたいですね。天気や湿気、その時の気分をマインドフルに感じ取って選ぶ。明日は研修の予定がありますが、カチッとしすぎる必要もないので、その時の状況に一番フィットするものを選びたいと思います。
水本: その瞬間の自分を大切にする。素晴らしい選択ですね。本日のゲストは、マインドフルネスメッセンジャーの中村悟さんでした。ありがとうございました!
エンディング
水本: エンディングです。悟さんのキリマンジャロ、本当に熱いですね。私もいつかやってみたいことリストに入れようと思いました。中島美紀さんに続き、パタゴニアを通じた思想の共有、非常に興味深かったです。皆さんも、お気に入りの服を着て良き週末をお過ごしください。ナビゲーターの水本慎太郎でした。