「納得のいくものを着ている時の方が、自信が持てる」|会社員・ヒメちゃん|服電Podcast #05

水本慎太郎(以下、水本): 服電 Clothes Call Produced by Lv.99。ナビゲーターの水本慎太郎です。本日も原宿CAT STREETのテーラリングアトリエLv.99からお届けします。
毎日何気なく選んでいる服には、その人の生活や仕事、気分、価値観が静かに表れています。この番組では、服という人の今を映す文化をアーカイブしていきます 。毎回ゲストの方にお電話をして、電話越しにその人の服にまつわるエピソードを伺い、そこから広がる仕事や活動、趣味、価値観といったお話をリスナーの皆さんに共有していきます。
このファーストシーズンは、99人の方に話を伺いたいという目標で始めております。さて、今回は関西・神戸在住の会社員、ひめちゃんさんとお電話がつながっています。今日はどんなお話が聞けるのか楽しみですね。
水本: もしもし、今日はよろしくお願いいたします。
ひめちゃん(以下、ひめちゃん): よろしくお願いします
水本: ひめちゃん、よろしくお願いします。今は神戸にお住まいなんですよね?
ひめちゃん: はい、そうです。3年半か4年くらい前から住んでいます。出身は長野県で、山口や東京、東北にも住んだことがあって、関西は初めてなんです。
水本: おお、転々とされていますね! 実は僕、生まれが山口なんですよ。
ひめちゃん: あ、拝見してすごく親近感を持っていました! 山口のどちらですか?
水本: 宇部です。
ひめちゃん: 宇部なんですね。よく宇部興産とか行っていました。でも私、山口に住んでいた時もイントネーションがうまく発音できなくて、最後まで「不自然だ」って言われていましたね(笑)。
水本: 確かに、山口の人は「ヤマグチ」のイントネーションに厳しいですからね(笑)。いろんな土地に行くと、方言やイントネーションが混ざって混乱しそうですが、それもまた面白いですよね。

自作ワンピースと「空気の層」が作る心地よさ

水本: さて、リスナーの皆さんがイメージを膨らませるために、今どのような服装をされているか教えていただけますか?
ひめちゃん: 今日は、自分で作ったワンピースを着ています。
水本: すごい、自作ですか!
ひめちゃん: 冬のセールで買った、裏がボアになっているあったか生地で作りました。ストレッチが効いていて、部屋の中でも楽ちんなんです。ちょっと後ろのファスナーが上がらなくて、何かが引っかかっている気がするんですけど(笑)
水本: いやいや(笑)。ワンピースの着心地というのは男性には未知の世界なのですが、一体どんな感じなんですか?
ひめちゃん: 意外と暖かいんですよ。空気の層ができるので。夏は夏で風が通って涼しいですし、すごく合理的で好きなんです。
水本: なるほど、合理的。普段からよく手に取ってしまう服も、そういった機能的なものが多いのでしょうか?
ひめちゃん: 今日はインタビューということで張り切ってワンピを着てみたんですが、普段はユニクロのジャージ上下ですね(笑)。家で仕事をして、外に出るのは子供の送り迎えくらいなので、ギリギリ買い物に行けるかな……というラインを攻めています。

子供の誕生で一変した「素材」へのこだわり

水本: ユニクロも着やすいですしね。以前からそういったカジュアルなスタイルだったんですか?
ひめちゃん: いえ、子供が生まれてからガラリと変わりました。それまでは外で人に会う仕事だったので、ジャケットを着たり、クリーニングに出すような素材の服も着ていました。でも子供がいると、食べこぼしを顔に擦り付けられたり、抱っこした時にニットが子供の顔にチクチクしないかなとか気になったりして。それで、だんだんジャージ比率が高くなってしまいました。
水本: 生活の変化がそのまま服装に出ているんですね。
ひめちゃん: そうなんです。でも、それだけじゃ味気ないなと思って。自分で作る時は、簡単に洗えて着心地が良いけれど、見た目はかっちりした好きな感じにできないかな、と考えて作ったりしています。
水本: ひめちゃんは実は「バリキャリ」ですからね。以前は素材にもかなりこだわっていたとか?
ひめちゃん: 手触りのいい素材や綺麗な光沢のある生地が好きで、お給料をつぎ込んで良い服を買ったりしていましたね。
水本: 良いですね。僕も生地の密度や糸の打ち込み、天然素材か化繊か、といったところはつい気にしてしまいます。
ひめちゃん: 水本さんはカタリスト(こだわりを持つ人)ですね。

2014年のボストンで誓った「ヨガパンツは穿かない」

水本: ありがとうございます(笑)。そんなひめちゃんですが、逆に「これだけは絶対に着ない」という服はありますか?
ひめちゃん: 割となんでも楽しめるタイプなんですが……「ヨガパンツ」を外で穿くのは、ちょっと自分の中では公害になりそうで無理ですね(笑)
水本: 確かに、マットを持って歩いている方はよく見かけますね。
ひめちゃん: 2014年頃にアメリカのボストンで学生をしていたんですが、向こうではみんなヨガパンツを穿いていて。でも日本で育った自分としてはどうしても理解できなくて、「いくら日本で流行っても、これだけはしないぞ」と心に決めて帰国しました。今、ママ友の間でも穿いている人がいて、カルチャーショックを受けています。

手縫いでデニムを調整した、少女時代の「執念」

水本: 服にまつわる「忘れられないエピソード」は何かありますか?
ひめちゃん: 小さい頃から、洋服の形や色が自分に似合うかということに、すごくこだわりがありました。当時デニムが流行っていたんですが、安いお店で買ったデニムの形が気に入らなくて。どうしても理想のラインに近づけたくて、硬いデニム生地を、手縫いで幅を詰めて調整して穿いていました。
水本: デニムを、しかも手縫いで! それはすごい執念というか、オシャレさんですね。
ひめちゃん: 全然オシャレじゃないですよ。ただ、自分の中で「これは足が細く見える」とか「すらっと見える」という納得のいく軸があって、そこに寄せていきたかったんです。
水本: 自分が好きで着るという面と、人からどう見えるかという面。ひめちゃんは若い頃から、デニムに針を通しながら多角的な視点を持たれていたんですね。
ひめちゃん: 多分、自分に自信がなかったんだと思います。でも、納得のいくものを着ている時の方が自信が持てる。「自分をちょっと強くしてくれるもの」という感覚は、今もずっとありますね。

会社員を卒業して「自作トルソー」の世界へ

水本: 今は神戸で会社員として働かれていますが、今後さらに環境が変わる予定だとか?
ひめちゃん: はい、実はそろそろ会社を卒業しようと思っていまして。次はまだ真面目に決めていないんですが、昔やっていたフリーランスのライターに戻るのもいいかなと思ったり。
水本: 依存せずにいろんな生き方をされていて、生命力を感じます。服作りについても、本格的に勉強したいと仰っていましたよね。
ひめちゃん: そうなんです。今は小物や子供服を、娘が寝た後にダーッと作る感じなんですが、今後はちゃんとパターン(型紙)を自分で引いて服を作れるようになりたいなと思って。実は1年ちょっと前、娘の幼稚園のクリスマス会でワンピースを作るために初めてミシンを買ったばかりなんです。本格的に縫うのは30年ぶりくらいだったんですが、生地を選んで形になっていくのが楽しくて。
水本: 素敵ですね。最近はエンジニアのような視点で服作りをされている先生にも会われたとか?
ひめちゃん: 水本さんの紹介で学校を見に行ったんですが、3Dプリンターで自作のトルソーを作っている面白い先生がいらっしゃいました。さすがエンジニアだなと刺激を受けましたね。

誕生日に纏う、自分を上げる「勝負服」

水本: いよいよ最後の質問です。明日、ひめちゃんはどんな気分で服を選ぼうと思いますか?
ひめちゃん: 明日は、実は私の誕生日なんです
水本: えー! おめでとうございます!
ひめちゃん: ありがとうございます。なので、やっぱり気分が上がるような格好をしたいなと思っています。普段は紺や黒のアースカラーが多いんですが、明日は私の「勝負服」である真っ青なブルーのワンピースを着ようと思っています。
水本: 最高の選択ですね! ぜひその勝負服を着て、最高の誕生日を過ごしてください。本日のゲストは、会社員のひめちゃんさんでした。ありがとうございました。

エンディング

今日は収録直前に機材トラブルがあり焦りましたが、なんとか工夫で乗り切ることができました。怪我の功名で新しい収録スタイルも見つかり、結果オーライです 。 ゲストのひめちゃんさん、デニムを手縫いしていたお話や「自分を強くするための服」という考え方、非常に興味深かったです。明日の誕生日、ブルーのワンピで素敵な一日になりますように。
それでは皆様、お気に入りの服を着て良き週末をお過ごしください。ナビゲーターの水本慎太郎でした 。

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