「相手への敬意を装う。自分勝手な自由を卒業した大人が嗜む服選び」|プロダクトマネージャー・佐藤研輔|服電Podcast #06

水本慎太郎(以下、水本): 皆さんこんばんは。服電 Clothes Call Produced by Lv.99。ナビゲーターの水本慎太郎です。本日も原宿キャットストリートのテーラリングアトリエ、レベル99からお届けします。
毎回ゲストの方にお電話をして、その人の服にまつわるエピソードを伺います。そこから広がる仕事や活動、趣味、価値観といったお話をリスナーの皆さんに共有していきます。お仕事やお料理、エクササイズのBGMとしてお気軽にお楽しみください 。
さて今回は、大手メディアでデジタルプラットフォームサービスを手掛けられているプロダクトマネージャーの佐藤研輔さんとお電話がつながっています。今日はどんなお話が聞けるのか楽しみですね 。

水本: もしもし、今日はよろしくお願いいたします。

佐藤研輔(以下、佐藤): よろしくお願いします。
水本: お久しぶりです。なんだろう、町中華以来ですか?
佐藤: そうですね。そろそろうずいてきてるんで。
水本: ですよね(笑)。神楽坂に有名な炒飯のお店があるって知ってます? そういう情報を見かけると、ちょっとムラムラするんですよね。
佐藤: 次回、そちらで。
水本: だけどあそこ、並ぶし、食べたら即立ち上がる感じみたいなんです。我々が求めている「落ち着ける町中華」とはちょっと違うんですよね。
佐藤: 2軒目、3軒目の展開を考えておきましょう。
水本: はい、ぜひ町中華を。よろしくお願いします。

「白髪隠し」から始まった金髪と、さりげない白Tの着こなし

水本: さて、まずはリスナーの皆さんのイメージを膨らませるために、研輔さんが今着られている服装を教えていただけますか?
佐藤: 今日はちょっとカジュアル目なんですけど、白いTシャツを着て、その上にグレーっぽい色味の、やや大振りのチェック柄が入ったジャケットを羽織っています。
水本: ケンちゃん、おしゃれですよね。白いTシャツをこんなにさりげなく着こなせる人がいるんだ、っていう。割と白T率高いですよね?
佐藤: インナーに着る用途が多いので、あんまり派手さがないものを選びがちかもしれないですね。
水本: 我々の歳になると、白Tはともすれば「銭湯から出てきたおっさん」になっちゃうじゃないですか(笑)。難しいなと思ってるんですよ。
佐藤: まあ、それに近いものがあるんですけどね(笑)。しばらくこの調子で頑張りたいなと思います。
水本: ちなみに、金髪にしたのはいつ頃でしたっけ?
佐藤: ここ3、4年ですかね。いい大人になってからです。
水本: 気づいたら金髪になっていて驚きました。
佐藤: 割と白髪が増えてきまして。黒く染めてびっしり隠すのも大変だなと思い、ハイライトをどんどん入れていって白いのとぼやかしていくうちに、気づいたら金色の部分が増えていった……というところがあります。
水本: なるほど、そこからだったんですね。僕も髭に白髪が混じり始めたので、髭を取りました。努力しないと若作りは難しいですね。

自由の履き違えから「相手への敬意」へ。変化したビジネススタイルの価値観

水本: 研輔さんは最近、つい手に取ってしまう服や、よく着ている服はありますか?
佐藤: 最近は、ジャケットのセットアップを普段から着ることがすごく増えています。
水本: 何か理由があるんですか?
佐藤: 今の仕事が結構堅めというか、ビジネスカジュアルを求められがちなんです。最初は必要に迫られて買い揃えたんですけど、だんだん面白くなってきて。色味や生地、インナーとの合わせ方を考えていくと、組み合わせは無限にありますから。
水本: 毎日出勤されているんでしたっけ?
佐藤: ほぼ会社に行っています。昔ほどダークスーツにネクタイという人は減りましたが、内勤の我々でも、ある程度のアピアランスは求められますね。
水本: 営業の方はまだトラディショナルな考えもありますが、随分和らぎましたよね。
佐藤: 我々が昔一緒に仕事をしていた頃は、もっとカジュアルに振り切っていましたね。
水本: あの頃のネットバブル的なカルチャーが、今のビジネスシーンの服装を壊してしまったのかもしれません(笑)
佐藤: 確かに。
水本: でも最近のベンチャーの若者とかを見ていると、ジャケットに白Tが制服のようになっていて。あれが彼らなりの精一杯のドレスアップなんだろうな、と思ったりします。
佐藤: そんな気がしますね。

背筋が伸びる「勝負服」。オーダーメイドが教えてくれた身だしなみ

水本: 大事な仕事の節目などで選ぶ「勝負服」は持っていますか?
佐藤: はい。水本さんに頼み込んで作っていただいたスーツを2着持っておりまして、どちらかを着用するのが自分の勝負服になっています。
水本: ありがとうございます! 戦績はいかがでしょう?
佐藤: 最高ですね。目ざとい方には「オーダーしたものではないか」と気づいていただけますし、着た瞬間に背筋が伸びて、勝負に向かう気持ちが高まるんです。
水本: 嬉しいエピソードです。若い頃は、そういう感覚ってなかなか分からないですよね。
佐藤: 若い頃は自由を履き違えていて、オフィシャルな場に革ジャンを着ていったりしていました(笑)。自分さえ良ければいい、と思っていたんです。
水本: ケンちゃん、やりがちでしたね(笑)
佐藤: 最近は、洋服を着ること自体も身だしなみのひとつだと思うようになりました。自分が着たいからということ以上に、相手に対する「敬意」なのかなと。ピシッと身なりを整えることで、相手の方も安心してくれるし、話もきちんと聞いていただける。そういう感覚を最近持っています。

自分にMA-1が似合わない理由

水本: 逆に、「これは絶対に着ない」という服はありますか?
佐藤: あまり決めてかかりませんが、試着して鏡を見た時に、自分の体型にフィットしない、しっくりこないものは着ないようにしています。例えば「MA-1」ですね。
水本: 意外です! すごくミリタリー系が似合いそうな風貌じゃないですか。
佐藤: 形はかっこいいと思うんですけど、着てみると気ぶくれして大きく見えてしまう。なんだかしっくり来ないんです。自分にはそういう雰囲気になれないんだな、と諦めています。

カラオケボックスでの引き渡し。忘れられない「服を作る過程」

水本: 前半最後の質問です。服について忘れられないエピソードがあれば教えてください。
佐藤: 水本さんと一緒に、自分のスーツを作っていく過程そのものが忘れられません。要望を聞いてもらいながら細部まで作り込んでいく……本当に嬉しい体験でした。
水本: まだあの頃、お店がなかったですからね。カラオケボックスで歌いながら引き渡したりしましたよね(笑)
佐藤: そうでしたね(笑)。生地やボタン、ポケットの形まで、自分で選んでいくのは感慨深いものがありました。
水本: ありがとうございます。なんだか見本のようなエピソードを伺えて、心から嬉しいです。

フグのヒレ酒と「ソロ活」で学ぶ、お酒の楽しみ方

水本: さて、ここからは研輔さんご自身のプライベートについて伺います。ケンちゃんといえば、B級グルメと町中華。最近美味しかったものはありますか?
佐藤: 1月頃、四谷の荒木町でフグをご馳走になりまして。刺身の「てっさ」から唐揚げ、フグチリ……もう最初から最後までフグづくしでした。
水本: 四谷にフグ、大人ですね!
佐藤: 特に「フグのヒレ酒」が最高でした。肉厚なヒレをしっかり炙ってあって、3、4回お酒を継いでも味も色も濃いままなんです。淡白なフグなのに、炙ったヒレはこんなにコクがあるんだと感動しました。
水本: じゅるじゅるしてきました(笑)
佐藤: あとは締めのフグ雑炊ですね。「雑炊を食べるために身を食べ尽くすんだ」と仰る方がいて、そんな大人にかっこいいなと憧れました。
水本: 研輔さんがお酒にハマったきっかけは何だったんですか?
佐藤: 二十歳を過ぎた学生時代ですね。大学の近くに、学生だと半額になるバーがあったんです。そこで悪い大人たちに英才教育を受けまして(笑)
水本: なるほど(笑)。大勢でワイワイ飲む感じだったんですか?
佐藤: いえ、その頃から「ソロ活」してました。意外に見えるかもしれませんが、今でもお酒は一人で飲むことが多いインドア派なんです。

難しい理屈はいらない。「好きか嫌いか」の軸で生きる

水本: お酒の味って、語るのが難しいじゃないですか。研輔さん流の楽しみ方のコツはありますか?
佐藤: ワインや日本酒も突き詰めれば難しい理屈は色々ありますが、僕は小難しいことは得意ではないので、シンプルに「好きか嫌いか」だけで選んでいます。
水本: 自分の中の軸、ということですね。
佐藤: 例えば焼酎なら、芋焼酎や泡盛のような癖の強い、匂いの強いお酒がグッとくるので好きですね。
水本: 「金色の麦の中を少女が進んでいる」みたいな表現はしないと(笑)
佐藤: 何を言ってるんだろう、ってなりますからね(笑)。気楽に行きたいなと思っています。
水本: 研輔さんが人生を楽しんでいる理由が見えた気がします。僕も「好き嫌いの軸」を作ってお酒を楽しんでみたいと思います。

明日、どんな気分で服を選びますか?

水本: いよいよ最後の質問です。研輔さんは明日、どんな気分で服を選ぼうと思いますか?
佐藤: 明日は仕事で重要な会議があるので、セットアップを着る予定です。季節感も大事にしたいので、ダウンはもう着ずに、インナーは白っぽい明るい色味にして、少し明るい気分で挑みたいですね。
水本: 季節の空気感を大切にする、素晴らしい選択だと思います。明日はいい仕事を一発決めてください! 本日のゲストは佐藤研輔さんでした。ありがとうございました。
佐藤: ありがとうございました。

エンディング

研輔さんとは古くからの付き合いですが、今は堅い職場ということもあり、今回の出演許可を取るのには相当苦労されたそうです(笑)。本当に感謝しかありません。
自分の中の軸があって、それに対しての「YES/NO」で生きる。そんな研輔さんのかっこいい生き方に触れ、僕もその領域に早く辿り着きたいなと感じた回でした。
それでは皆様、お気に入りの服を着て良き週末をお過ごしください。ナビゲーターの水本慎太郎でした 。

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