なで肩でもスーツは似合う|肩が浮く原因とオーダーで根本解決する方法

なで肩でスーツが似合わない、肩まわりが決まらない——そう感じている方は少なくありません。結論から言うと、なで肩でもスーツはきれいに似合います。方法は大きく2つ。肩パッドで「なで肩を目立たせない」方向と、型紙から肩の角度そのものを合わせて根本解決する方向です。この記事では、なで肩でスーツが浮く原因と、それぞれの対処法、どういう人にどちらが向くのかを、オーダースーツの現場の視点で解説します。

そもそも「なで肩」とは(肩の角度で決まる)

肩の傾斜は角度で表せます。肩の角度には目安となる基準があり、それを超えて傾斜が強い状態をなで肩と判断します(具体的な角度は採寸時に一人ひとり計測します)。角度がつくほど、肩が本来のラインより下に来て、肩まわりに空間ができます。この「空間」が、スーツが似合わない原因の正体です。

なで肩が既製スーツで似合わない・浮く理由

なで肩の人が既製スーツを着ると、具体的には次のような症状が出ます。
  • 背中に「ハの字」のシワが出る
  • 肩の前側にシワが出る
既製スーツは標準的な肩の角度を前提に作られています。なで肩の人が着ると、肩先が本来より下がるぶん生地が余り、その余りがシワとなって背中や肩の前に寄ってしまう。これが「なんとなく似合わない」「肩が決まらない」という印象につながります。

対処法1:肩パッドで盛る(メリットと限界)

もっとも手軽な対処が、肩パッドで肩の高さを補うことです。これには二面性があります。
まず限界の側。肩パッドで盛るのは根本解決ではありません。本来は、なで肩の人の肩の角度に合わせて肩の型紙を用意すべきだからです。厚いパッドで無理に高さを作ると、シルエットが本人の肩の形から離れてしまいます。理想は、パッドに頼らずシルエットがそのまま肩の形になることです。
一方で、肩パッドが「正解」になる場面もあります。なで肩の人は自分の体型を気にしていることが多く、「なで肩に見えない形にしたい」と考えるケースが少なくありません。その場合は、なで肩に合わせて作るのではなく、あえてパッドで補正して、なで肩を目立たせないほうが満足度が高いこともあります。
問題は、既製服や量販店では、なで肩だからといって厚い肩パッドをつけてくれるわけではないこと。この「パッドによる補正」を狙って行えるのは、オーダースーツならではの強みです。

対処法2:オーダー(パターンオーダー)で型紙から補正する

根本から解決するなら、型紙の段階で肩の角度を合わせます。Lv.99でなで肩を補正するときの流れは次のとおりです。
  1. なで肩に合わせて肩先を下げ、アームホールも下げる
  2. そのままだと背中側にシワが寄るので、背中を少しつまむ
  3. 肩先が体型にぴったり合いつつ、シワが寄らない状態にする
なお、「なで肩を目立たせたくない」という要望でパッドを使う場合も、ただ貼るだけでは肩にパコパコと空間が浮いてしまいます。そこで、パッドを少し後ろ目につけ、肩甲骨まわりの隙間をなくす補正を組み合わせます。

肩パッドで盛る vs 型紙で補正する

肩パッドで盛る
型紙で補正する
やること
肩の高さをパッドで足す
肩先とアームホールを下げ、背中をつまむ
仕上がり
なで肩を「目立たせない」
肩の形にシルエットが沿う
向く人
なで肩を隠したい人
自然に、シワなく着たい人
対応できる場所
厚いパッドは量販店では困難
オーダー(パターンオーダー)
どちらが正解かは目的次第で、両方を組み合わせることもあります。

事例:後ろ寄りのパッドで、たくましい体躯に

なで肩のお客様で、肩パッドを7対3の比率で後ろ側に寄せて貼り、なで肩でできる空間を埋めた例があります。単に肩を高くするのではなく、後ろに厚みを持たせることで、よりたくましい体躯に見える補正になりました。「なで肩を隠したい」という要望に対して、パッドの位置まで含めて設計するのが、オーダーだからできる補正です。

オーダーでの肩補正が向いている人・向いていない人

向いている人
  • 既製スーツで背中や肩前にシワが出て困っている人
  • なで肩を目立たせず、自然に着こなしたい人
  • 肩パッドに頼らず、シルエットを自分の肩の形に合わせたい人
向いていない人
  • とにかくその日のうちに1着だけ欲しい人
  • 補正なしの既製サイズで十分と感じている人

よくある質問

なで肩に合うスーツはありますか? あります。肩の角度に合わせて型紙を補正するか、肩パッドの厚みと位置で調整することで、なで肩でもシワの出ない、または、なで肩が目立たない一着に仕立てられます。
なで肩でも似合うスーツにできますか? できます。「なで肩がわからないように補正してほしい」または「背中にシワが寄らないように補正してほしい」と伝えていただければ、目的に合わせて対応します。
肩パッドを入れれば解決しますか? 「なで肩を隠したい」場合には有効な方法の一つです。ただし厚いパッドに頼るとシルエットが不自然になることもあるため、型紙での補正と組み合わせるのが理想です。
なで肩がひどくても補正できますか? 肩の角度に応じて肩先の下げ幅と背中のつまみ量を調整するため、程度に合わせて補正できます。まずはご相談ください。

オーダー前に知っておくといいこと(店選びのコツ)

なで肩の補正で失敗しないコツは、要望を具体的に伝えることです。
  • なで肩を目立たせたくないなら → 「なで肩がわからないように補正してほしい」
  • とくに気にしないなら → 「背中にシワが寄らないように補正してほしい」
これに対して「わかりました」と的確に対応してくれるかどうかが、技術のある店を見分ける目安になります。

Lv.99(BE THE STANDARD)は、表参道・原宿キャットストリートの完全予約制オーダースーツサロンです。なで肩をはじめ、体型に合わせた肩の補正を、型紙の段階から行います。ご相談・ご予約はこちらから。

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